スーパーに、スーパーおばちゃん現る!子どもを叱る大人はかっこいいです
先日、スーパーに買い物に行ったときのことです。
お菓子売り場に、5歳くらいの男の子がいました。
ポテトチップスの袋を持っています。
男の子はそのポテトチップスの袋をジーっと見つめ、その後突然、
手で押しつぶしたのです。
両手で袋を持って、拝むかのようにサイドからギュッと袋を押しつぶす。
そうかと思えば、今度は袋を手でもみ始める。モミモミ、バリバリと。
わたしは心の中で、
(えー?そんなことして、この子はそのポテチ買うの?
買うならいいけど、もし買わなくて棚に戻したら、マズイんじゃない?(゚Д゚;))
男の子の行動が気になって、少し様子を見ていました。
そしたら案の定、男の子はポテトチップスを棚に戻しました。
(やっぱり・・)
そう思った瞬間、
「ちょっと待ちなさい!」
と女の人の声が聞こえました。
60歳くらいの方でしょうか。小柄な女性(おばちゃん)が買い物かごを片手に持って、男の子に近づいていきました。
そして、こう言ったのです。
「ボクは今、袋に入っているポテトチップスをつぶしたよね?
そして、それを買わずに棚に戻したよね。
次にこのポテトチップスを買う人は、つぶれたポテトチップスを食べることになるんだよ。
その人の気持ちを考えてごらん?
どんな気持ちになると思う?」
男の子は黙ったまま、うつむいていました。
しばらく沈黙が続いたあと、小さな声で
「ごめんなさい・・」
と言ったのです。
それを聞いたおばちゃんは、
「わかったならもういいよ。
でももう、二度とこんなことしちゃダメだよ」
と言うと、男の子は小さく頷いてその場を立ち去りました。
一部始終を見ていたわたしは、心の中で感動しました。
今ドキ、赤の他人にお説教する人なんているのでしょうか?
わたしが子どものころ(20~30年前)悪いことをすると、近所のおじさんやおばさんによく叱られたものです。
「悪いことをしちゃダメだ!」と、はっきりと言われたものです。
大人が、子どもに、きちんと教育する。それが他人の子であっても、悪いことはきちんと教えるべきだ、という風潮がありました。
でも昨今、他人の子を叱る、なんてことはなくなりましたね。
わたしもそうですが、もし仮に他人の子を叱って、その子の親になにか文句を言われるのが嫌です。
子どもに悪いことはしちゃダメだよ、と正しいことを教えているのに、それに対して親になにかを言われたらどうしようって気持ちが働くんですよね。
面倒なことに巻き込まれたくない、って気持ちが勝ってしまうのです。
情けない話ですが、未だに悪いことをしている子どもがいても、見て見ぬふりをしてしまいます。
話はおばちゃんに戻しますが、実は、続きがあったのです。
おばちゃんは子どもを叱ったあと、その子がバリバリに割ったポテトチップスの袋を手に取りました。
そして、自分の買い物かごに入れたのです!
(え?そのバリバリに割れたポテチ、どうすの?
店員さんに事情を説明するのかな?)
気になったわたしは、おばちゃんの動向を追いました。
すると、おばちゃんはレジに並びました。
で、そのままポテトチップスをレジに通し、お会計をしたのです。
赤の他人(子ども)が割ったポテトチップスを、おばちゃんは自腹を切って買ったのです!!
おばちゃん、すごいーーー!!!
もうね、本当にすごかったですよ!かっこいいとしか言いようがないくらいに。
自分の子どもならともかく、全く知らない子どものために、叱って、お金を出して、なにも言わずに去っていくおばちゃん。
その子の親にも、スーパーの店員さんにもなにも言わずに、去っていくおばちゃん。
いやー、世の中こんなかっこいいおばちゃんがいるんだなって、初めて知りました。
わたしには到底、真似できないですよ。真似したくても、真似できないですね。
あんな素敵なおばちゃん、これから先、お目にかかることはあるのかなって思いました。
まさに、スーパーおばちゃん!
(スーパーで買い物していただけに( ̄▽ ̄;))
わたしもいつか、おばちゃんみたいな女性になりたいな、と思う出来事でした。